熱中症対策・予防
各地で猛暑日、最も暑い5月に 熱中症疑いで2人死亡
上空に暖かい空気が入り込んだ影響で、26日は全国各地で猛暑日(気温35度以上)となった。
北海道佐呂間町では39・5度を観測し、5月の全国の最高気温を更新。午後5時時点で猛暑日となったのは全国53地点、真夏日(気温30度以上)となったのは566地点に達し、
熱中症とみられる死者も出た。
気象庁によると、山越えの暖かい風が吹き下ろすフェーン現象も加わり、帯広市で38・8度、
北海道で5月に35度以上となったのは観測史上初めて。道東部を中心に34地点で年間の最高気温を更新した。
このほか福島市で35・3度、群馬県桐生市で35・4度、埼玉県越谷市で35・1度を記録。
全国275地点で5月の最高気温を更新した。東京都心は今年最高となる32・6度を記録。
5月としては初めて3日連続の真夏日となった。
帯広市のJR帯広駅前に設置された温度計は、正午過ぎに40度まである最上部まで目盛りが上がった。
振り切れたのか、表示が消えてしまうことも。JR北海道は、
急激な気温上昇の影響でレールが伸びてゆがむ恐れが出たため、
北海道北部や東部を走る列車計40本以上を運休させた。
帯広市の友人を訪ねた青森県の公務員女性(36)は「北海道は涼しいイメージだったのに暑すぎる」と驚いた様子だった。
北海道では38・1度となった芽室町に隣接する清水町でゴルフ中の男性(36)が倒れ死亡した。
32・9度となった宮城県登米市では男性(65)が路上で倒れているのが見つかり、死亡が確認された。いずれも熱中症の可能性があるという。
熱中症 対策
いつでもどこでもだれでも条件次第で熱中症にかかる危険性がありますが、
熱中症は正しい予防方法を知り、普段から気をつけることで防ぐことができます。
例えば、初夏や梅雨明け・夏休み明けなど、体が暑さに慣れていないのに気温が急上昇するときは特に危険です。
無理せず、徐々に体を慣らすようにしましょう。
・「水分を」こまめにとろう
のどがかわいていなくても、こまめに水分をとりましょう。
スポーツドリンクなどの塩分や糖分を含む飲料は水分の吸収がスムーズにでき、
汗で失われた塩分の補給にもつながります。
過度に塩分をとる必要はありませんが、毎日の食事を通してほどよく塩分をとりましょう。
大量の汗をかくときは、特に塩分補給をしましょう。ただし、かかりつけ医から水分や塩分の制限をされている場合は、
よく相談の上、その指示に従いましょう。
・「睡眠環境を」快適に保とう
通気性や吸水性の良い寝具をつかったり、エアコンや扇風機を適度に使って睡眠環境を整え、
寝ている間の熱中症を防ぐと同時に、日々ぐっすりと眠ることで翌日の熱中症を予防しましょう。
・「丈夫な体を」つくろう
バランスのよい食事やしっかりとした睡眠をとり、丈夫な体をつくりましょう。
体調管理をすることで、熱中症にかかりにくい体づくりをすることが大切です。
・「気温と湿度を」いつも気にしよう
いま自分のいる環境の気温や湿度をいつも気にしましょう。
屋内の場合は、日差しを遮ったり風通しを良くすることで、気温や湿度が高くなるのを防ぎましょう。
・「室内を」涼しくしよう
扇風機やエアコンで室温を適度に下げましょう。
過度の節電や「この程度の暑さなら大丈夫」とガマンしてはいけません。
・衣服を」工夫しよう
衣服を工夫して暑さを調整しましょう。衣服は麻や綿など通気性のよい生地を選んだり、
下着には吸水性や速乾性にすぐれた素材を選ぶとよいでしょう。
・「日ざしを」よけよう
ぼうしをかぶったり、日傘をさすことで直射日光をよけましょう。
また、なるべく日かげを選んで歩いたり、日かげで活動したりするようにしましょう。
・「冷却グッズを」身につけよう
冷却シートやスカーフ、氷枕などの冷却グッズを利用しましょう。
毎日の生活で使えるものから夏の寝苦しさをやわらげるようなものまで、さまざまなグッズがあります。
ちなみに、首元など太い血管が体の表面近くを通っているところを冷やすと、効率よく体を冷やすことができます。
・「飲み物を」持ち歩こう
出かけるときは水筒などでいつも飲み物を持ち歩き、気づいたときにすぐ水分補給できるようにしましょう。
・「休憩を」こまめにとろう
暑さや日差しにさらされる環境で活動をするときなどは、こまめな休憩をとり、無理をしないようにしましょう。
・「熱中症指数を」気にしよう
携帯型熱中症計やテレビ、Webなどで公開されている熱中症指数で、熱中症の危険度を気にしましょう。
・熱中症時の水分と塩分の補給の仕方
熱中症が疑われるときは、ただ水分を補給するのではなく、塩分も一緒に補給することが重要です。
自分で手軽に作れる食塩水もよいでしょう。
目安として、1ℓの水に対して1~2g の食塩を加えます。
さらに、長時間のスポーツなどで失われた糖分を補い、エネルギーを補給するために砂糖などを加えると、水分や塩分の吸収が良くなる上に、疲労回復にもつながるのでより効果的です。
手早く塩分・糖分を一緒に補給できるスポーツドリンクなどによる水分補給もおすすめです。
ただし、カフェインの入った飲み物は利尿作用が強くなるので避けましょう。
ポイント!
熱中症のときには、上手な水分・塩分補給がポイントです。水分だけでなく塩分も補給することで、
症状の改善が期待できます。塩分の補給には、塩分を含む飴・タブレットや梅干しなどもよいでしょう。
熱中症の症状が見られる際、意識がはっきりしない場合は大至急医療機関へ。
意識がはっきりしている場合は、涼しい日陰や屋内で適切な水分・塩分補給を行い、
安静にすることで多くは改善します。いつもと違うなと感じたり不安があったりするときには医療機関を受診しましょう。
また、こまめな水分・塩分の補給は熱中症予防にも有効です。とりわけ1時間を超える長時間のスポーツなどの際には、
塩分に加え糖分の入ったスポーツドリンクなどでこまめに水分補給することで、熱中症を予防しましょう。
お茶やビールでは水分補給にはなりません
お茶やアルコールには利尿作用があり、身体の中の水分を外に出してしまうため、
水分の補給に適していません。また、汗には塩分(ナトリウム)などの電解質(イオン)が多く含まれているため、
水だけ補給しても熱中症の予防にはなりません。0.1%~0.2%の食塩水やイオン飲料、
経口補水液を摂るようにしましょう。